家に帰って、いじめられている子の事を子供に尋ねました。いじめられている子の名前は、ラムちゃんとしましょう・・。

 どういう事が起こっているか?ということを聞くと、子供は、「多すぎて、言えないよ・・。よく、男の子同士でその子にぶつけようと、押して、その子に当たって男の子が倒れる。そして、倒れた男の子がいるから『こいつが倒れたけど、お前、どうしてくれるんだ?』と、言う。そして、その子が困っている・・。とうパターンが多いかな。」と言いました。

 いじめを見た翌日、ビリママは担任の先生に話をしに行きました。また、いじめられている子にも話を聞きに行きました。お母さんの電話番号をお聞きして、話を伝える為です。先生は、「事実確認をします。ありがとうございました。」と、そそくさと話を切って、終わりました。親でもないビリママの意見はあまり、どうでもいいようでした。

 いじめられている子を、子供と友達が、ビリママの元に連れてきてくれました。ビリママは、「こんにちは。ラムちゃん、昨日、おばちゃん見てたけど、男の子からいじめられているよね?」と、言いました。その子は、少し表情が硬くなり、体もこわばって、「いじめられてない。」と、言いました。ビリママは、しまった!唐突に聞きすぎた・・と、思いました。

 そして、「昨日、男の子がぶつかって来て足をくじいたでしょう?大丈夫?あの、ぶつかってきた子の名前はわかる?」と聞きました。すると、「健四郎君・・・。と、言いました。」ぶつけてきた子は覚えていないそうです。 

ビリママは、「辛いのに、本当に頑張って学校に来ているね。本当に、偉いね!」と言って、ラムちゃんの頭を撫でました。そして、「あのね、ラムちゃん、うちの子供とその友達が、あなたを守るって言っているの。なるべくこの子達と一緒にいてくれる?大丈夫?」と、聞きました。ラムちゃんは、嬉しそうに頷きました。また、ラムちゃんのお母さんは、この事実を知らないという事でした。お母さんを心配させたくないのだとビリママは思いました。

 すると、ラムちゃんは泣き出しました。ビリママは、「辛かったね。頑張ったね。」と言いました。すると、ラムちゃんは、「辛いんじゃないんです。優しくしてくれる人がいて、嬉しいんです。」と言って、また、泣き続けました。そして、ビリママに、「私は田舎から転校してきたのですが、田舎でもいじめられていました。」と、教えてくれたのです。「ずっと、いじめられてきたら、自分が悪いような気がするでしょう?そんなことないよ。ラムちゃんは、悪くない。あなたは、そういうことをされていい人ではないの。いじめられては、絶対にいけないのよ!」と、ビリママは言いました。

 それから、「私もいじめられていたのよ!なのにね、今はさ、6人も子供がいて、とっても幸せよ!だから、絶対に今、頑張らないといけないよ。一緒に、頑張っていこうね!」と言いました。

 これから、ラムちゃんをどうにか少しでも楽しい学校生活に出来るように、子供とともに少しづつですが頑張って行こうと話をしました。